建築と風通し、掃除と手入れ

取材が台風でキャンセルになり、ちょっと時間に余裕ができたので、だいぶ汚れをためてしまったレンジフードの掃除をすることにしました。整流板を外すと中に油がたまっている(泣)。それをゴムベラで掻き出し、石鹸で洗い流す。そしてシロッコファンの手前にあるフィルターの掃除。やれやれ、ずいぶん汚れをため込んだものです(笑)。

次いで外部のホコリ取り。フードの棚の部分にはどうしてもホコリがたまります。その都度拭けばいいのですが、サボってたまり始めるとそのままになる(笑)。今日からはマメに拭き掃除しよう・・・。

台所の床はスギ材のフローリングそのままで、汚れ避けにマットを敷いていたのですが、汚れてきたのと飼い猫がかきむしって糸のほつれが目立ったので、取り替えようと購入店に行ったら同じものが店頭から消えていた。他に気に入った柄がなかったので、買わずに戻りスギ板のままでやってみることにしました。

このところ矢野智徳さんの「大地の再生講座」の取材が続いていて、先日その矢野さんが打ち合わせを兼ねてアトリエにやって来たのですが、やはり建築空間や「囲炉裏暖炉」に興味津々のご様子で、質問攻めにあいました。お泊まりになった翌朝、ポエング(IKEAの定番リクライニングチェア)でくつろぎながら「なんだか風通しのいい空間だね」とおっしゃっていたのが印象的でした。

空間というのは住みながら家具や物を置いていくうちにダメになる場合もあり、逆に良くなっていく場合もあります。いい家を設計家に作ってもらっても、住みながら物を置きすぎて、そして掃除を忘れてズタズタになる場合も多いものです。住み手のセンス(物の選択や置き方、掃除の仕方も含めて)が住宅では如実に表れてしまうのですね。

ところで物の「選択」や「置き方」というのは、「風通し」の良し悪しにも通じます。屋久島の講座で矢野さんが、縁の下に置く物の位置に風通しを論じて、参加者を驚かせたことがあったのですが、私にはそれがすぐに理解できました。

風通しがいいと物の位置がすっきりきれいに見え、ホコリもたまりにくいし掃除もしやすい。逆に、デッドスペースにものを飾ることによって、そこに新たな意味が生まれ、生き生きと輝き出す場合もある。ものの選択と置き方によって美しい余白が生まれるのです。

置くモノを厳選し、飾るセンスを磨くことが重要です。必要最小限の家具、生花、額絵、美しいオブジェ・・・があればいいのです。でも飾る前にするべきことがあります。それが「掃除と手入れ」です。簡素な部屋であっても、床にホコリがなく窓が透明に磨かれていると、それだけで美しいですよね。

近所の直売所に野菜を買いに行ったらケイトウの切り花が安く売っていたので、買って床の間に生けてみました。

誰が来るというわけでもないのですが、こうして花があるだけで空間が劇的に変わるのです。もちろん飾るためには、床の間とその周囲が磨かれている必要があるわけです。

器は近所のレトロ市でゲットしたもの。中に花留め(七宝三ツ輪)が入れてあり、その輪の中に挿すことで茎が起きるようになっている。

掃除の基本は「掃く」ことと「拭く」こと。本物の素材は磨かれると渋く美しさを増していく。掃除と手入れが好きになる最も良い方法は、掃除しがいのある部屋を持つことです。良質な空間を手に入れて、そこに住まうことです。

現代住宅の高気密性は外部からホコリが入りにくいという点ですばらしいのですが、残念ながら内装に偽物の素材を使い過ぎています。「生活空間に美を与える」のはとても重要なことで、美しい空間が美しい人を生み出すと思うのです。

新たなリフォームや家づくりには、ぜひとも本物素材をバランスよく取り入れてください。

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