部屋から見る窓の美しさ

昔のように縁側があって、大きな掃き出し窓を開けると庭が見える・・・というような家が少なくなりました。現代の敷地事情では庭をとるのは贅沢で難しく、隣家や道路ぎわというプライバシーの問題もあり、一階の窓は大きく取りにくいものです。

しかし、小さな窓でもうまい位置に置くことで、その窓から美しい自然の風景を切り取ることができます。隣に公園の樹木でもあれば、その緑と空が納まる位置に窓を取ると最高です。つまり眺めるための窓、ピクチャーウィンドウというやつですね。

窓と絵画の額を置くこととの違いは、窓の場合は天気の違いや光の強弱、陽光の変化、あるいは季節によって、様々な表情を見せてくれることです。また、窓からこぼれる光が室内に帯を引いて動いていく。それを眺めるのもいいものです。

ピクチャーウィンドウを意識して取るときお薦めしたいのは、まず大壁にして壁の色を白無地にすること。室内側に柱を見せる真壁では、柱が視覚的に強調され窓の意味が弱くなります。また大壁であっても、ごちゃごちゃした柄の壁紙ではやはり景色の効果が薄れます。

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そのとき室内側を3方塗り込めの窓枠にするといっそう美しさが増します。つまり四方ぐるりと木の枠を回さずに、下の窓台だけを木にし、上三方は壁の素材で塗り込める(クロス貼りする)のです。そうすることで窓枠内に光の帯が現れ、モノトーンの中に光のグラデーションを楽しむことができます。

この方法は、シングルのアルミサッシでは結露がおき、木枠の無い部分が汚れる危険があるので、ペアガラスで少なくとも内側が樹脂製の窓枠を用いる必要があります。窓の種類は「はめ殺し」か「滑り出し窓」など、つまり窓枠で風景を分断しないものがいいでしょう。

3方塗り込めの場合はカーテンを取り付けることができなくなりますが、プリーツブラインドなら取り付け可能で、視覚的にもすっきり納まります(ただし、純粋に風景を意識するなら、何もつけないのがお薦め)。

ひとつの壁のたった一枚のピクチャーウィンドウが、住む人の心を生涯豊かにしてくれる、ということもありうるのです。四季の豊かな日本ではとくにそうです。これも家づくりの醍醐味ですね。

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