和室と床の間

新年なので和室と床の間についてお話しましょう。洋間全盛の現代住宅ですが、やはり日本人ですから畳の部屋が一つあるとくつろげますね。以前このブログで、スギ材のフローリングは温かいので和的に座り使いができる話をしましたが、畳の間はやはり格別です。

リビング・ダイニングが、板の間とイスの空間であればあるほど、和室は静かで聖なる空間にも感じられます。畳の縁や壁に現れた木の柱の軸線が、フラットな洋間の白壁と対比されることで、よりいっそう「和」が際立ってくるのです。

実用的には、4畳半の和室が一つあるだけで、いろいろ使えて便利です。たとえば親類などが泊まりに来たときの客間に。あるいは床の間を入れて季節の飾り物をかけ、茶室のようにアート空間として使うこともできるでしょう。

美しく使いやすい和室を成功させるには、難しく考える必要はありません。伝統的なセオリーに則って、

1)窓は、掃き出し窓、そしてカーテンでなく和紙障子

2)壁は真壁で、柱はヒノキの無節かそれに近いもの

3)壁は土壁風とする(珪藻土などで聚落風に)

4)収納の開口部(建具)は和紙を使った襖(ふすま)とする

5)床は畳とする

こうして、それぞれの職人さんに任せれば、見事に美しい和室が出来上がります。ヘタな細工はむしろないほうがよく、本物の素材を昔通りにキッチリ仕上げてもらえば、部屋そのものがミニマルな緊張感をともなう空間になるのです。さらに床の間があると、季節やお子様たちのイベントにあわせて飾り物ができ、よりいっそう豊かな暮らしが楽しめますね。

washitu

床の間の構成する床柱や床板(とこいた)、落し掛けなどは素材の見せ所であり、床の間は自然素材をそのまま見せながら洗練・結晶化させるという、世界に類のない建築表現と言うことができます。それらの素材は、家全体のバランスをみながら、お客様の感性や好みにあわせて選んでいただければよいと思いますが、もちろん当方でも銘木店を通じて的確なアドバイスをさせていただきます。

tokonoma

床の間の奥行きが取れない場合でも、平面の壁に掛けクギを仕込んでおき、畳に板の台を置けばそこを床の間とすることができます(置き床)。また壁上部に雲板と呼ばれる薄い板を張って、その下部を床の間のように使う手法もあります(織部床)。つまり、台や板で空間を暗示させるのですね。

和室にはイスや机、あるいは固定した装飾を置かず、自由な空間にしておくのがお薦めです。そうして必要に応じて取り出し、季節によって書画や生け花で演出するのです。

来年のお正月、床の間に松飾りはいかがですか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください